英文名 | Statistics | |
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科目概要 | 物理学科 2年 2群科目 選択 2単位 前期 15 コマ 講義 週1コマ 化学科 2年 2群科目 選択 2単位 前期 15 コマ 講義 週2コマ | |
科目責任者 | 伊藤 真吾 | |
担当者 | 伊藤 真吾 | |
備考 | 科目ナンバリング:SP201-Ma21 |
近年の情報化社会では、さまざまな分野においてデータ解析の方法論としての統計学の重要性が増してきており、物理や化学の研究を行う上でも重要な役割を果たしている。本講義では、データ解析のための具体的な解析方法を身につけ、合わせてその裏側にある数学的な側面を理解することを目的とする。
まず最初に、調査・実験によって得られたデータから集団の性質や傾向を把握するための方法である「記述統計」を解説し、その後、確率変数の概念と代表的な確率分布を解説する。後半では、確率分布をもとに対象となる集団について推測する「推測統計」を扱い、様々なシチュエーションにおける統計学に基づいた推定や検定の方法を解説する。統計的な手法は、その構成プロセスを知らなくても容易に利用できるが、本科目では数学的側面も意識し、統計学が数学(特に微分積分学)の上に成り立っていることを理解できるように講義を行う。
教科書の内容に沿って授業を進める。前半の75 分程度はその回における重要な知識について板書による講義を行い、残りの時間で問題演習をする。演習問題は毎回提出してもらい、次回授業時に模範解答の配布および添削したものの返却を行う。
回 | 項目 | 内容 | 担当者 | 日時 |
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1 | データの整理・代表値と散布度 | データを度数分布表やヒストグラムにまとめる。データから平均・分散・標準偏差を求める方法を学ぶ。〔教科書1.1 節~ 1.3 節〕 | 伊藤 真吾 | 4/14④ |
2 | 相関係数と回帰直線 | 2 つの変数のデータから、相関係数や回帰直線を求め、回帰直線を用いて一方の変数から他方の変数を予測する方法を学ぶ。また最小二乗法について学ぶ。〔教科書1.4 節〕 | 伊藤 真吾 | 4/21④ |
3 | 確率・確率変数と確率分布 | やや厳密に確率を定義した上で確率変数を定義し、離散型確率変数・連続型確率変数および確率分布の基本性質について学ぶ。〔教科書2.3 節、3.1 節〕 | 伊藤 真吾 | 4/28④ |
4 | 期待値・分散・積率母関数 | 離散型確率変数、連続型確率変数それぞれの期待値・分散・積率母関数を定義し、その基本性質を学ぶ。〔教科書3.2 節、3.6 節〕 | 伊藤 真吾 | 5/12④ |
5 | 二項分布 | 離散型確率変数の代表例である二項分布およびその基本性質について学ぶ。〔教科書3.3 節〕 | 伊藤 真吾 | 5/19④ |
6 | 正規分布 | 連続型確率変数の代表例である正規分布およびその基本性質について学ぶ。〔教科書3.7 節p78 まで〕 | 伊藤 真吾 | 5/26④ |
7 | 母集団と標本分布・カイ2 乗分布 | 母集団と標本分布に関する基本事項を学ぶ。また、カイ2 乗分布およびその基本性質を学ぶ。〔教科書4.1 節、4.2 節、4.4 節p96 まで〕 | 伊藤 真吾 | 6/2④ |
8 | t 分布・F 分布 | t 分布およびF 分布の基本性質を学ぶ。〔教科書4.4 節p97 ~ p103〕 | 伊藤 真吾 | 6/9④ |
9 | 極限定理 | チェビシェフの不等式、大数の法則、中心極限定理および二項分布を正規分布で近似する方法を学ぶ。〔教科書3.7 節p79 ~ p81、4.3 節p89 ~ p91〕 | 伊藤 真吾 | 6/16④ |
10 | 母平均の区間推定 | 区間推定の基本的な考え方と母平均の区間推定を学ぶ。〔教科書5.2 節p117 まで〕 | 伊藤 真吾 | 6/23④ |
11 | 母分散・母比率の区間推定 | 母分散および母比率を区間推定する方法を学ぶ。〔教科書4.3 節、5.2 節p118 ~ p122〕 | 伊藤 真吾 | 6/30④ |
12 | 母平均の検定 | 仮説検定の基本的な考え方と母平均を検定する方法を学ぶ。〔教科書6.1 節~ 6.2 節〕 | 伊藤 真吾 | 7/7④ |
13 | 母分散・母比率の検定 | 母分散および母比率を検定する方法を学ぶ。〔教科書6.3 節~ 6.4 節〕 | 伊藤 真吾 | 7/14④ |
14 | 母平均の差の検定 | 2 つの母集団の母平均に差があるかどうかを検定する方法を学ぶ。〔教科書6.5 節〕 | 伊藤 真吾 | 7/21④ |
15 | まとめ | 全体の確認と復習 | 伊藤 真吾 |
1. データの収集、分類、整理ができ、平均・分散・相関係数・回帰直線を求めることができる。
2. 確率、確率変数、確率分布等の概念を数学的な土台のもとで理解し、それらを活用できる。
3. 知りたい内容に即した統計処理(推定や検定)の判断ができ、それを自分の問題へ活かすことができる。
毎回の演習課題(30%)、定期試験(70%)で評価する。なお、欠席は減点する。
【授業時間外に必要な学習時間:合計60 時間(各回の講義ごとに、予習1 時間、復習3 時間)】
予習:教科書の該当範囲を一読し疑問点等を整理しておくこと
復習:授業内容をノートにまとめ、教科書の演習問題および配布プリントの問題を解くこと
該当教員なし
なし
問題演習の際は電卓を利用するので毎回必ず電卓(ルート機能付き)を持参すること。講義では、カシオの関数電卓fx-JP500 CW を推奨機種とし、当機種に合わせた使い方の説明も行う。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | はじめての統計学 | 道家・伊藤・宮﨑・酒井 | コロナ社 |
参考書 | 基礎数学 統計学通論 | 北川・稲葉 | 共立出版 |
参考書 | 数理統計入門 | 松本・宮原 | 学術図書出版社 |