英文名 | Modern Chemistry Ⅱ | |
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科目概要 | 生物科学科 2年 2群科目 選択 2単位 後期 15 コマ 講義 週1コマ | |
科目責任者 | 水瀬 賢太 | |
担当者 | 水瀬 賢太※ | |
備考 | 科目ナンバリング:SB201-Ch22 |
生物科学の現象を分子レベルで理解するには化学の知見が必要である。本科目では、生物科学の研究にも用いられている化学的な測定や計算手法に関する原理、原理理解のための物理化学的基礎、そして研究例を学ぶことで,自然科学の基本原理を基盤とした測定・解析技術を理解し,自然現象・生命現象に対する正確な判断力を養う。
生物科学研究に必須の種々測定法・解析法や、その基礎となる物理化学の項目について,「化学」の視点から解説する。生物科学分野の研究でも用いられる量子化学計算・分子動力学計算・分光学的手法・NMR・質量分析法・顕微測定などについて,原理と応用例を学ぶ。統計力学や量子化学、反応速度論など、必要な物理化学的基礎事項の解説• 確認を合わせて行い、生物科学に関連の深い化学的なトピックスを解説する。
パワーポイント・板書を用いた講義を主体とする。理解を深めるための演習問題をレポート課題とし、必要に応じて講義時間中に解説を行う。
回 | 項目 | 内容 | 担当者 |
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1 | 序論 | 本講義内容の概要説明、基礎事項の確認 | 水瀬 賢太 |
2 | 生命科学のための化学反応速度論1 | 反応速度論の基礎、速度式、感染症拡散解析への応用 | 水瀬 賢太 |
3 | 生命科学のための化学反応速度論2 | 逐次反応、酵素反応解析への応用 | 水瀬 賢太 |
4 | 生命科学のための化学反応速度論3 | 複雑な生体内反応の解析法 | 水瀬 賢太 |
5 | 生命科学のための化学反応速度論4 | 反応速度に関する実験手法 | 水瀬 賢太 |
6 | 生命科学のための量子化学1 | 生体分子の性質理解に不可欠な量子論の基礎、物質の波動性の導入 | 水瀬 賢太 |
7 | 生命科学のための量子化学2 | 箱の中の粒子モデル、生体分子の電子状態解析への応用 | 水瀬 賢太 |
8 | 生命科学のための量子化学3 | 振動回転運動の基礎と分光測定解析への応用 | 水瀬 賢太 |
9 | 生命科学のための量子化学4 | 化学結合論とスピン化学 | 水瀬 賢太 |
10 | 生命科学のための量子化学5 | 計算化学による分子の解析方法 | 水瀬 賢太 |
11 | 生命科学のための量子化学5 | 量子化学を用いた実験データ解析について | 水瀬 賢太 |
12 | 生命科学のための統計力学1 | 多数の分子、セグメントからなる系の扱い方について概要を述べる | 水瀬 賢太 |
13 | 生命科学のための統計力学2 | ボルツマン分布と熱力学エントロピー、統計力学的エントロピー、情報エントロピー | 水瀬 賢太 |
14 | 生命科学のための統計力学3 | 非平衡科学 | 水瀬 賢太 |
15 | まとめ | 全体の確認と復習 | 水瀬 賢太 |
講義で取り上げる生命科学研究のための物理化学の事項や解析法、分光・分析方法について、基礎原理や特徴(どのような観測量が得られ、そこから何が分かるか、どんな限界があるか)を理解し、説明できるようになること。
レポート・課題によって評価する(100%)。
【授業時間外に必要な学習時間:毎回予習復習にそれぞれ120 分程度】
事前に参考書や配布資料の該当項目に目を通すこと。講義では演習問題やクイズを出題するので、確実に解答できるように参考書・資料を用いて復習すること。
文部科学省管轄の研究機関で分子運動の計測法開発に従事した経験をもとに、現代的な分析法・計測法の基礎や応用例について解説を行う。
基礎化学I(1SB)、基礎化学II(1SB)、基礎化学実験(1SB)、機器分析学(2SB)、現代化学I(2SB)
演習問題、クイズ、レポート課題について、講義中またはGoogle Classroom にて解答例の提示や講評を行う。トピックスごとの参考書は講義中に紹介する。
現代化学Iの内容を参照する場合があるが、本科目は現代化学Iの未履修者であっても履修可能である。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | (なし) | ||
参考書 | 生命科学のための物理化学 第2 版 | P. Atkins, J. Paula | 東京化学同人 |
参考書 | バイオサイエンスのための物理化学 | Tinoco ら | 東京化学同人 |