英文名 | Molecular Architecture | |
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科目概要 | 化学科 2年 3群科目 必修 2単位 後期 15 コマ 講義 週1コマ 生物科学科 2年 3群科目 B選択 2単位 後期 15 コマ 講義 週1コマ | |
科目責任者 | 弓削 秀隆 | |
担当者 | 弓削 秀隆 | |
備考 | 科目ナンバリング:SC301-CI22 科目ナンバリング:SB301-Ch26 |
科目 | 教科に関する専門的事項(中・高 理科) |
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施行規則に定める科目区分 |
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有機金属化合物を対象に、化合物の体系論から、分子構造および分光的性質、同定法、合成法や反応のパターンを概説し、素反応から高次の触媒反応への展開を紹介する。物質を自在に操るための先端的物質合成の方法と論理を身につける。
有機遷移金属化合物を中心に、(1) 電子状態と結合、(2) 代表的な配位子と合成と性質、分光的特徴、さらに(3) 有機金属化合物の反応特性(化学量論反応と非化学量論反応)を3段階に分けて概説する。有機金属化合物以外にも随所にトピックスとしての新しい無機化合物の合成法、性質を挿入し、説明する。
「無機化学I・II」の習得を前提に、原則的に教科書(22、25 章)に沿って進める。講義は板書中心に行い、不足部分はスライド資料で補う。講義終了後、Google Classroom上に講義概要と課題を公開する。課題は次週、日曜日を締切とし、次回講義までに採点結果を通知、解答を公開する。解説は次回講義冒頭にて、板書を交えて口頭で行う。
回 | 項目 | 内容 | 担当者 |
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1 | 有機金属化合物:元素の電気陰性度と金属-炭素結合 | 金属-炭素結合をもつ化合物としての有機金属化合物を概観、元素の電気陰性度をもとに金属-炭素結合の性質について解説する。 | 弓削 秀隆 |
2 | 18 電子則と金属-炭素結合 | 有機金属化合物に広く適用できる18 電子則の考え方と金属周りの電子の数え方について解説する。 | 弓削 秀隆 |
3 | 基本的な配位子(1):カルボニル配位子 | カルボニル配位子の電子状態、性質について解説する。 | 弓削 秀隆 |
4 | 基本的な配位子(2):ホスフィン配位子 | ホスフィン配位子のσ供与性(塩基性)とπ受容性(酸性)、電子的および立体的な効果について解説する。 | 弓削 秀隆 |
5 | 基本的な配位子(3):ヒドリドと二水素配位子、アルカン、アルキル配位子 | ヒドリド、二水素配位子、アルカン、アルキル配位子の電子状態、性質を解説する。 | 弓削 秀隆 |
6 | 基本的な配位子(4):アルケンおよびアリル配位子 | アルケンおよびアリル配位子の電子状態、性質を解説する。 | 弓削 秀隆 |
7 | 有機金属化合物の典型例とその性質(1):金属カルボニル | 金属カルボニルの合成、性質と反応を解説する。 | 弓削 秀隆 |
8 | 有機金属化合物の典型例とその性質(2):カルベン錯体 | カルベン錯体の合成、性質と反応を金属カルボニルと対比して解説する。 | 弓削 秀隆 |
9 | 有機金属化合物の典型例とその性質(3): メタロセンと主要族元素の有機金属化合物 | メタロセンの合成、構造、反応を解説する。 主要族元素の有機金属化合物の合成、構造、反応を1族、2族および3族化合物を中心に概説する。 | 弓削 秀隆 |
10 | 有機金属化合物の反応(1):配位子置換反応 | 配位化合物に共通の反応である配位子置換反応の機構について具体例を用いて概説する。 | 弓削 秀隆 |
11 | 有機金属化合物の反応(2):酸化的付加と還元的脱離反応 | 有機金属化合物に特徴的な反応である酸化的付加反応と還元的脱離反応について概説する。 | 弓削 秀隆 |
12 | 有機金属化合物の反応(3):挿入反応と脱離反応 | 有機遷移金属化合物に特徴的な反応である1,1- 移転挿入または1,2- 挿入反応、β水素脱離反応、シクロメタル化反応について概説する。 | 弓削 秀隆 |
13 | 触媒反応(1):一般的概念 | 触媒反応の一般論と用語をアルケンの異性化反応などを例に解説する。 | 弓削 秀隆 |
14 | 触媒反応(2):水素化反応とヒドロホルミル化反応 | 有機遷移金属触媒を用いた代表的反応であるアルケンの水素化反応およびヒドロホルミル化反応について解説する。 | 弓削 秀隆 |
15 | まとめ | 全体の確認と復習 | 弓削 秀隆 |
有機金属化合物を周期表に基づいて体系的に理解し、合成の方法論を習得する。素反応から複雑な触媒系を合理的に組み立てて、機能性物質をつくりだすアイデアと具体的プランを考え出せる論理力を身につけることを目的とする。
毎回の課題(20%)、期末試験(80%)により総合的に評価する。課題の無解答、欠席は減点する。
【授業時間外に必要な学習時間:1 コマあたり4 時間】
指定された教科書で予習し、疑問点を予め明確にしておくこと(1 時間)。
Google Classroomで提供した課題(締切:次週日曜日)および教科書の例題、演習問題について、自力で考えて解くこと(振り返り含めて3 時間)。わからない場合も安易に解答を見たり他人にきいたりせずに、授業の内容をノートで振り返りながら、教科書を読み直して、自分の考え方を組み立てるように心がけること。
該当しない
無機化学Ⅰ、無機化学Ⅱ、無機化学実験、無機化学演習
講義で紹介した知識を覚えるだけでなく、組み合わせて使えるようになることを目標にしているため、問題の正解、不正解を気にせず、自力で考えることを第一に訓練して欲しい。授業ごとの課題は結論に至らなくても、各回最低30 分は考えること。次回授業までに採点結果通知、解答公開を行い、授業内で解説もするが、自力で考える前に解答を先に見てしまっては学習の効果は上がらないことを肝に銘じて欲しい。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | シュライバー・アトキンス 無機化学 第6 版上・下 | D.F. シュライバー、 P.W. アトキンス他 | 東京化学同人 |
参考書 | Organomtallics and Catalysis: An Introduction | Manfred Bochmann Oxford | Oxford University Press |
参考書 | The Organometallic Chemistry of the Transition Metals; 7th Edition | Robert H. Crabtree | Wiley |
参考書 | ハートウィグ 有機遷移金属化学 上・下 | J. F. ハートウィグ | 東京化学同人 |