Web Syllabus(講義概要)
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生物物理学Ⅰ
英文名Molecular BiophysicsⅠ
科目概要物理学科 3年 3群科目 A選択 2単位 前期 15 コマ 講義 週1コマ
生物科学科 3年 3群科目 B選択 2単位 前期 15 コマ 講義 週1コマ
科目責任者小寺 義男
担当者小寺 義男松井 崇※大石 正道
備考科目ナンバリング:SP301-PB31
科目ナンバリング:SB301-Ph31

授業の目的

生物・生命を理解するためには、遺伝子、蛋白質を網羅的にとらえようとするゲノム・プロテオーム的な視点と、生体分子間の相互作用を分子オーダーで理解するための分子的視点、さらには、これらをもとに生物をシステムとして捉えるための生物システム学的な視点が必要である。本講義では、生物システムを解明するための物理学、化学、生物科学の基礎知識と実験技術を修得し、現象に対する的確な判断力を身に付けるための力を養うことを目的とする。

DPとの関連

SP1SP2SB3

教育内容

生物システムの主な担い手である蛋白質がどのような化学構造、立体構造なのか?どのような物理化学的な性質をもっているのか?さらに、どのようにして巨大な蛋白質構造が作られているか?その相互作用はどのようなものなのか?ということを解説する。また、最後に外部講師の講義を通して、生物システムの最先端に関する知見を広げる。

教育方法

生物システムにおける蛋白質の働き、構造と機能、さらには複雑系(生体系)における他の分子との相互作用と生物システムの機能発現に関する授業を進める。

授業内容

項目内容担当者日時
1序(生物システムとその担い手)生物システムとタンパク質、生物システムを理解するための2つの観点4/15②
2分子レベルの構造情報の取得 NMR(1)NMRの基本原理、ボルツマン分布、ゼーマン相互作用小寺 義男
4/22②
3分子レベルの構造情報の取得 NMR(2)核スピン間の磁気的相互作用小寺 義男
5/6②
4分子レベルの構造情報の取得 NMR(3)NMRによるタンパク質の立体構造解析小寺 義男
5/13②
5電気泳動によるタンパク質の解析(1)SDS-PAGE法によるタンパク質物性の理解大石 正道
5/20②
6電気泳動によるタンパク質の解析(2)二次元電気泳動による比較解析大石 正道
5/27②
7質量分析によるタンパク質の解析(1)質量分析計の仕組み。質量分析計によるタンパク質の分析小寺 義男
6/3②
8質量分析によるタンパク質の解析(2)質量分析計によるタンパク質の詳細分析小寺 義男
6/10②
9プロテオミクスタンパク質の網羅的な解析小寺 義男
6/17②
10細胞・生体高分子の物理化学細胞や核酸、タンパク質を支配する物理化学的な概要と立体構造形成に関わる物性を理解する松井 崇
6/24②
11X線結晶構造解析による生体高分子の立体構造解析X線による結晶構造解析を理解する松井 崇
7/1②
12電子顕微鏡による生体高分子の立体構造解析電子顕微鏡による立体構造解析を理解する松井 崇
7/8②
13生物システムの構築生物システムの階層性、細胞から個体へ大石 正道
7/15②
14生物システムのさらなる理解に向けて生物システムの包括的研究小寺 義男
7/22②
15まとめ全体の確認と復習小寺 義男
7/29②
No. 1
項目
序(生物システムとその担い手)
内容
生物システムとタンパク質、生物システムを理解するための2つの観点
担当者
日時
4/15②
No. 2
項目
分子レベルの構造情報の取得 NMR(1)
内容
NMRの基本原理、ボルツマン分布、ゼーマン相互作用
担当者
小寺 義男
日時
4/22②
No. 3
項目
分子レベルの構造情報の取得 NMR(2)
内容
核スピン間の磁気的相互作用
担当者
小寺 義男
日時
5/6②
No. 4
項目
分子レベルの構造情報の取得 NMR(3)
内容
NMRによるタンパク質の立体構造解析
担当者
小寺 義男
日時
5/13②
No. 5
項目
電気泳動によるタンパク質の解析(1)
内容
SDS-PAGE法によるタンパク質物性の理解
担当者
大石 正道
日時
5/20②
No. 6
項目
電気泳動によるタンパク質の解析(2)
内容
二次元電気泳動による比較解析
担当者
大石 正道
日時
5/27②
No. 7
項目
質量分析によるタンパク質の解析(1)
内容
質量分析計の仕組み。質量分析計によるタンパク質の分析
担当者
小寺 義男
日時
6/3②
No. 8
項目
質量分析によるタンパク質の解析(2)
内容
質量分析計によるタンパク質の詳細分析
担当者
小寺 義男
日時
6/10②
No. 9
項目
プロテオミクス
内容
タンパク質の網羅的な解析
担当者
小寺 義男
日時
6/17②
No. 10
項目
細胞・生体高分子の物理化学
内容
細胞や核酸、タンパク質を支配する物理化学的な概要と立体構造形成に関わる物性を理解する
担当者
松井 崇
日時
6/24②
No. 11
項目
X線結晶構造解析による生体高分子の立体構造解析
内容
X線による結晶構造解析を理解する
担当者
松井 崇
日時
7/1②
No. 12
項目
電子顕微鏡による生体高分子の立体構造解析
内容
電子顕微鏡による立体構造解析を理解する
担当者
松井 崇
日時
7/8②
No. 13
項目
生物システムの構築
内容
生物システムの階層性、細胞から個体へ
担当者
大石 正道
日時
7/15②
No. 14
項目
生物システムのさらなる理解に向けて
内容
生物システムの包括的研究
担当者
小寺 義男
日時
7/22②
No. 15
項目
まとめ
内容
全体の確認と復習
担当者
小寺 義男
日時
7/29②

到達目標

生物システムの主な担い手である蛋白質について、立体構造、機能、複雑系における他分子との相互作用、振る舞いを理解するための基礎を習得する。

評価基準

評価は、講義中の課題、レポート及び定期試験の総合評価とする。講義中の課題20%、レポート20%、定期試験60%。

準備学習(予習・復習)

【授業時間外に必要な学習時間:1コマあたり 4 時間】
予習:事前に周知される講義概要を把握し、関連する内容について情報の収集や自身の意見・考察等をまとめておく。
復習:配布書類をもとに講義内容の復習とより深い理解に努め、提示された課題ならびに興味を持った点についてレポートにまとめる。

実務経験のある教員情報

松井崇(企業にて研究・開発に従事)
企業での研究・開発経験をもとに、企業における学際的研究の取り組みについて解説する

関連科目

生物物理学序論、生物システム学演習Ⅰ

その他

・授業中に課題を出した場合、重要な部分について解説する。
・授業終了後にレポート課題を出し、以後の授業で議論する。
・関連研究の研究施設・実験の見学を呼びかけ、研究室での議論を行う。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書配布プリント
参考書Essential タンパク質科学Mike Williamson 著
津本浩平、植田 正、前仲勝実 監訳
南江堂
教科書
署名
配布プリント
著者・編者
発行所
参考書
署名
Essential タンパク質科学
著者・編者
Mike Williamson 著
津本浩平、植田 正、前仲勝実 監訳
発行所
南江堂