Web Syllabus(講義概要)
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界面化学
英文名Surface chemistry
科目概要化学科 3年 3群科目 A選択 2単位 後期 15 コマ 講義 週1コマ
生物科学科 3年 3群科目 B選択 2単位 後期 15 コマ 講義 週1コマ
科目責任者南 英之
担当者南 英之
備考科目ナンバリング:SC301-CP35
科目ナンバリング:SB301-Ch35

授業の目的

2つ以上の相が接しているとき、相と相の境界を「界面」と呼ぶ(片方の相が気相の場合は「表面」とも呼ぶ)。一般に「物質の性質」と言う場合、界面がない(無視できる)巨視的なスケールで均一な分子の集団(バルク)を想定する。しかし、実際の物質はすべてどこかに界面を持っており、界面近傍の性質はバルクの性質とは異なる特性を持つ。「コロイド」は、液相または気相中に分散したメゾスケール(ナノ~マイクロメートル)の「相」であるので、界面が相全体に占める比率が高い。そのため界面の性質が重要な役割を担う。この授業では,界面とコロイドの特異性と,様々な産業分野におけるそれらの応用について理解することを目的とする。

DPとの関連

SG3SC3SB3

教育内容

まず、界面の特性と、界面の性質が重要な役割を担うコロイドについて概説する。次に、分子間に働く相互作用,分子の凝集過程と核生成,コロイド粒子の運動とコロイド分散系の基本的性質,界面における相互作用,界面動電現象とコロイド粒子の安定性,固体表面・液体表面への吸着,界面活性剤・脂質の基本的性質,薄膜・エマルションの性質と機能,ぬれについて物理化学的視点から説明した後、界面活性剤や脂質の応用について概説し、界面化学・コロイド化学が日常品や最先端の材料開発等にどのように関連しているかを理解させる。

教育方法

パワーポイントを用いて講義を行う。授業中に約5分間の小テストを課す。

授業内容

項目内容
1界面とコロイド界面の役割、表面張力・界面張力、コロイドの分類
2分子間に働く相互作用ファンデルワールズ相互作用,水素結合,疎水性相互作用
3凝集過程と核生成蒸気の凝縮過程と核生成,分散系の凝集過程と核生成
4コロイド粒子の運動ブラウン運動と酔歩,拡散,浸透圧
5コロイド分散系の基本的性質光の散乱,レオロジー
6界面における相互作用表面電荷の出現,界面電気二重層の形成
7界面動電現象と界面間に働く斥力電気泳動,電気浸透,電気二重層の重なり
8前半のまとめ(中間試験)前半の確認と復習
9コロイド粒子の安定性コロイド粒子の安定性とDLVO 理論による予測
10固体表面への吸着固体表面への気体の吸着,ラングミュアの吸着等温式
11液体表面への吸着界面の定義,ギブズの吸着等温式,界面活性剤の吸着
12界面活性剤・脂質の基本的性質ミセル形成,リオトロピック液晶,脂質の構造と分類,不溶性単分子膜,LB 膜,ベシクル
13薄膜・マイクロエマルションの性質と機能シャボン玉と黒膜、気泡,可溶化とマイクロエマルション,乳化とエマルション
14エマルションの性質と機能,ぬれ乳化とエマルション,ぬれの定義,ぬれ性の評価
15界面活性剤・脂質の応用界面活性剤と脂質の洗剤・化粧品・食品・医薬品・塗料等への応用
No. 1
項目
界面とコロイド
内容
界面の役割、表面張力・界面張力、コロイドの分類
No. 2
項目
分子間に働く相互作用
内容
ファンデルワールズ相互作用,水素結合,疎水性相互作用
No. 3
項目
凝集過程と核生成
内容
蒸気の凝縮過程と核生成,分散系の凝集過程と核生成
No. 4
項目
コロイド粒子の運動
内容
ブラウン運動と酔歩,拡散,浸透圧
No. 5
項目
コロイド分散系の基本的性質
内容
光の散乱,レオロジー
No. 6
項目
界面における相互作用
内容
表面電荷の出現,界面電気二重層の形成
No. 7
項目
界面動電現象と界面間に働く斥力
内容
電気泳動,電気浸透,電気二重層の重なり
No. 8
項目
前半のまとめ(中間試験)
内容
前半の確認と復習
No. 9
項目
コロイド粒子の安定性
内容
コロイド粒子の安定性とDLVO 理論による予測
No. 10
項目
固体表面への吸着
内容
固体表面への気体の吸着,ラングミュアの吸着等温式
No. 11
項目
液体表面への吸着
内容
界面の定義,ギブズの吸着等温式,界面活性剤の吸着
No. 12
項目
界面活性剤・脂質の基本的性質
内容
ミセル形成,リオトロピック液晶,脂質の構造と分類,不溶性単分子膜,LB 膜,ベシクル
No. 13
項目
薄膜・マイクロエマルションの性質と機能
内容
シャボン玉と黒膜、気泡,可溶化とマイクロエマルション,乳化とエマルション
No. 14
項目
エマルションの性質と機能,ぬれ
内容
乳化とエマルション,ぬれの定義,ぬれ性の評価
No. 15
項目
界面活性剤・脂質の応用
内容
界面活性剤と脂質の洗剤・化粧品・食品・医薬品・塗料等への応用

到達目標

界面およびコロイドの特異性を物理化学的視点から捉え、これにより生じる現象や実際に応用されている実例について理解し、説明できるようになること。

評価基準

定期試験(40%),中間試験(35%),授業中の小テスト(25%)で判定する。

準備学習(予習・復習)

【授業時間外に必要な学習時間:合計で60 時間】
予習:クラスルームにアップロードされたスライド原稿をダウンロードし,原稿中に設けられた空欄を自分で埋めてから授業に臨むこと。
教科書の該当部分を読んでおくこと。
復習:スライド原稿の内容を再度確認し,教科書の章末演習問題およびスライド原稿中の追加演習問題を解いておくこと。

実務経験のある教員情報

該当教員なし

関連科目

物理化学Ⅰ,Ⅱ

その他

授業中の小テストはクラスルームにて出題し,提出を確認後ただちに解答を示す。中間試験は答案返却時に解答を示し,講評を行う。定期試験は終了後,クラスルームにて解答を示す。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書資料を配布する。
参考書コロイド・界面化学 - 基礎から応用まで-辻井薫・栗原和枝・戸嶋直樹・君塚信夫(株)講談社
参考書コロイド化学池田勝一(株)裳華房
参考書界面化学近沢正敏・田嶋和夫丸善(株)
参考書分子間力と表面間力 第3 版J.N. イスラエルアチヴィリ(大島広行 訳)(株)朝倉書店
参考書第4 版 現代界面コロイド化学の基礎日本化学会 編丸善(株)
参考書基礎化学コース 熱力学阿竹 徹 編著丸善(株)
参考書コロイド・界面化学 - 基礎と応用-尾関寿美男・岩橋槇夫(株)オーム社
教科書
署名
資料を配布する。
著者・編者
発行所
参考書
署名
コロイド・界面化学 - 基礎から応用まで-
著者・編者
辻井薫・栗原和枝・戸嶋直樹・君塚信夫
発行所
(株)講談社
参考書
署名
コロイド化学
著者・編者
池田勝一
発行所
(株)裳華房
参考書
署名
界面化学
著者・編者
近沢正敏・田嶋和夫
発行所
丸善(株)
参考書
署名
分子間力と表面間力 第3 版
著者・編者
J.N. イスラエルアチヴィリ(大島広行 訳)
発行所
(株)朝倉書店
参考書
署名
第4 版 現代界面コロイド化学の基礎
著者・編者
日本化学会 編
発行所
丸善(株)
参考書
署名
基礎化学コース 熱力学
著者・編者
阿竹 徹 編著
発行所
丸善(株)
参考書
署名
コロイド・界面化学 - 基礎と応用-
著者・編者
尾関寿美男・岩橋槇夫
発行所
(株)オーム社