英文名 | Introduction to Physical Chemistry | |
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科目概要 | 化学科 1年 3群科目 必修 2単位 前期 15 コマ 講義 週1コマ | |
科目責任者 | 石川 春樹、末吉 健志 | |
担当者 | 石川 春樹、 末吉 健志 | |
備考 | 科目ナンバリング:SC301-Ch11 |
科目 | 教科に関する専門的事項(中・高 理科) |
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施行規則に定める科目区分 |
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自然界の多様な物質の性質とその変化を理解するためには,基本原理に基づいて物質の構造,反応機構を考察する必要がある。そのために,大学レベルの化学を学んでいく上で必要な基本的内容を紹介し、今後の化学の学修の基礎を築く。
前半では,大学で新たに学ぶ量子化学分野の基本概念を紹介する。目に見えるマクロな世界と原子分子のミクロな世界の違いを意識して量子化学の初歩について講義する。後半では,マクロな世界における物質の巨視的な性質を取り扱う化学熱力学の入門として気体の性質を学ぶ。
基本的に板書,スライドを用いた講義形式で行う。必要に応じて簡単な練習問題による演習を行う。
回 | 項目 | 内容 | 担当者 |
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1 | ミクロな世界への導入 | 原子や分子の世界に現れる量子力学的特徴を,例を挙げて紹介する。 | 石川 春樹 |
2 | 不確定性原理とシュレーディンガー方程式 | 量子論の基礎であるハイゼンベルグの不確定性原理と基本方程式であるシュレーディンガー方程式を紹介する。 | 石川 春樹 |
3 | 1次元箱の中の粒子 | 量子論の基礎的な問題である1次元箱の中の粒子の取り扱いを学ぶ。 | 石川 春樹 |
4 | 水素原子と原子軌道 | 水素原子の原子軌道について紹介する。 | 石川 春樹 |
5 | 多電子原子と周期表,スピン | 多電子原子の原子軌道と周期表に現れる元素の性質を量子論的に考察する。さらに,スピンの概念と例を紹介する。 | 石川 春樹 |
6 | 化学結合と分子軌道(1) | 分子軌道の考え方を導入し,2原子分子の状態を分子軌道に基づいて考察する。 | 石川 春樹 |
7 | 化学結合と分子軌道(2) | 種々の化学結合を紹介するとともに,混成軌道と分子の構造の関係を学ぶ。 | 石川 春樹 |
8 | 前半のまとめ | 前半のまとめとして中間試験と解説を行う。 | 石川 春樹 |
9 | 理想気体の状態方程式 | 高校化学で学んだ気体の諸法則と理想気体の状態方程式を復習する。 | 末吉 健志 |
10 | 気体分子運動論 | 気体分子の運動に基づいて理想気体の状態方程式を構築する。 | 末吉 健志 |
11 | マックスウェル- ボルツマン分布と相対速さ,衝突 | マックスウェル- ボルツマン分布の特徴を理解するとともに,気体分子運動論に基づいて,相対速さ,衝突に関する物理量を導入する。 | 末吉 健志 |
12 | 実在気体の性質(1) | 圧縮因子を導入し,実在気体と理想気体の違いの定量的な考察を行う。 | 末吉 健志 |
13 | 実在気体の性質(2) | 実在気体の方程式であるファンデルワールス式を導入し,対応状態の原理を学ぶ。 | 末吉 健志 |
14 | 分子間相互作用 | 分子間相互作用に関する説明と,後半の内容についてまとめる。 | 末吉 健志 |
15 | 後半のまとめ | 講義後半部分をまとめ,講義内容を復習する。 | 末吉 健志 |
前半(量子化学の基礎):原子や分子のミクロな世界における物質の運動やエネルギーの特徴を説明できる。原子・分子軌道の概念に基づいて分子の構造を説明できる。
後半(化学熱力学の基礎):理想気体の状態方程式に基づいて気体の性質を説明できる。実在気体と理想気体の違いを理解し,実在気体の性質を説明できる。
前半(石川担当分)と後半(末吉担当分)の評価の平均を総合評価とする。それぞれ,出欠や課題の取り組みによる積極的な受講態度(20%),期末試験(80%)によって総合的に判断する。
【授業時間外に必要な学習時間:毎回の予習1時間,復習3 時間,合計60 時間】
配布プリントにより,次回の内容を予習する。レポート課題等により講義内容を復習し理解を深める。必要に応じて,高校の教科書なども参照し復習すること。
(なし)
物理化学Ⅰ,Ⅱ,量子化学Ⅰ,Ⅱ,反応機構学Ⅰ,Ⅱ,分子構造学
レポート課題の解答例の提示によりフィードバックを行う。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | アトキンス 物理化学 第10 版(上)(下) | Peter Atkins, Julio de Paula 中野元裕,上田貴洋, 奥村光隆,北河康隆 訳 | 東京化学同人 |
参考書 | (なし) |