Web Syllabus(講義概要)
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反応機構学Ⅰ
英文名Kinetics and Molecular Mechanisms of Chemical Reactions Ⅰ
科目概要化学科 1年 3群科目 必修 2単位 後期 15 コマ 講義 週1コマ
物理学科 2年 3群科目 B選択 2単位 後期 15 コマ 講義 週1コマ
生物科学科 2年 3群科目 B選択 2単位 後期 15 コマ 講義 週1コマ
科目責任者末吉 健志
担当者末吉 健志
備考科目ナンバリング:SC301-CP12
科目ナンバリング:SP301-Ch22
科目ナンバリング:SB301-Ch23

教員免許取得のための必修科目

科目教科に関する専門的事項(中・高 理科)
施行規則に定める科目区分
  • 化学

授業の目的

単純な反応系において化学反応をポテンシャルを用いて定量的に解析し、メカニズムや温度依存性を推定できるようになること。将来的に有機化学合成、無機化学合成について、自分の担当する反応の収率や効率を高めることに実際に必要となる考え方を身につけること。

DPとの関連

SG1SG2SG3SP1SP2SC1SC3SB1SB3

教育内容

基本的な化学反応速度則と、温度依存性について簡単な基礎概念(活性化自由エネルギー、活性化エンタルピー、活性化エントロピー)による実験結果の解析と解釈の仕方について述べる。

教育方法

レジュメを用いた講義を行なうが、聴講者は別途ノートを取り、個々にまとめることが望ましい。演習問題や復習のための穴埋めをまとめたドリルを配布し、個人の自主学習(教員が個別に添削する)によってアクティブラーニングを遂行し理解を深める。

授業内容

項目内容
1反応機構学入門化学量論式と反応次数、反応分子数などの定義
2速度論データの解析法(1)反応次数不明の反応の次数決定、速度定数決定(微分法/初速度法)
3速度論データの解析法(2)積分法による1 次反応の解析法・寿命と半減期について
4速度論データの解析法(3)1次反応の解析におけるプロットの実際・1 次反応の例
5速度論データの解析法(4)積分法による2 次反応の解析法
6速度論データの解析法(5)異種分子2 種の2 次反応(擬一次反応)
7反応速度と温度(1)遷移状態理論
8反応速度と温度(2)アイリング・プロットとアーレニウス・プロット
9反応速度と温度(3)ポテンシャルエネルギー曲面
10反応速度と温度(4)活性化エントロピーとエンタルピーの分子構造や反応メカニズムとの関係について
11反応速度と温度(5)活性化自由エネルギーについて
12反応速度からの反応機構の推定(1)中間体を含む反応とその実際例:見かけの反応速度
13反応速度からの反応機構の推定(2)反応の選択性についての解説:熱力学支配と速度論支配
14反応速度からの反応機構の推定(3)反応の解析からメカニズムを推定する方法(総論)
15まとめ全体の確認と復習
No. 1
項目
反応機構学入門
内容
化学量論式と反応次数、反応分子数などの定義
No. 2
項目
速度論データの解析法(1)
内容
反応次数不明の反応の次数決定、速度定数決定(微分法/初速度法)
No. 3
項目
速度論データの解析法(2)
内容
積分法による1 次反応の解析法・寿命と半減期について
No. 4
項目
速度論データの解析法(3)
内容
1次反応の解析におけるプロットの実際・1 次反応の例
No. 5
項目
速度論データの解析法(4)
内容
積分法による2 次反応の解析法
No. 6
項目
速度論データの解析法(5)
内容
異種分子2 種の2 次反応(擬一次反応)
No. 7
項目
反応速度と温度(1)
内容
遷移状態理論
No. 8
項目
反応速度と温度(2)
内容
アイリング・プロットとアーレニウス・プロット
No. 9
項目
反応速度と温度(3)
内容
ポテンシャルエネルギー曲面
No. 10
項目
反応速度と温度(4)
内容
活性化エントロピーとエンタルピーの分子構造や反応メカニズムとの関係について
No. 11
項目
反応速度と温度(5)
内容
活性化自由エネルギーについて
No. 12
項目
反応速度からの反応機構の推定(1)
内容
中間体を含む反応とその実際例:見かけの反応速度
No. 13
項目
反応速度からの反応機構の推定(2)
内容
反応の選択性についての解説:熱力学支配と速度論支配
No. 14
項目
反応速度からの反応機構の推定(3)
内容
反応の解析からメカニズムを推定する方法(総論)
No. 15
項目
まとめ
内容
全体の確認と復習

到達目標

単純な反応系において、反応物の時間変化、反応速度の温度依存性などの実験結果から、現象をプロットして解析して、定量的に理解できるようになること。すなわち各種パラメータを有効数字や単位に留意して算出できるようになること。

評価基準

主に定期試験によって評価する(90%)。また、毎回行う確認テストへの取り組み方についても評価に加える(10%)。
試験:毎時間の演習問題や小テストを基本として、一部応用問題も出題する。試験には電卓を利用した実験解析を模した数値計算が含まれる。特に数値計算においては単に数字が正解であるかだけでなく、単位の誤り、有効数字の適切さ、またグラフ作成を求める問題では、目盛の採り方、軸や単位の記載などについても正確に記述することが求められる。

準備学習(予習・復習)

【授業時間外に必要な学習時間:1 時間(予習)+ 1 時間(復習と問題演習)】
講義前には、予想される授業範囲について配布したレジュメを一読し、重要と思われるキーワードについて教科書、参考書などで下調べしておく。講義後には、講義中に配布された練習問題について復習する。また、教科書(アトキンス)で関連ある章を探して発展学習する。

実務経験のある教員情報

該当教員なし

関連科目

反応機構学Ⅱ、基礎数学Ⅰ、基礎数学Ⅱ、物理化学Ⅰ

その他

試験を行った場合は、得点分布や間違いの多かった点を講評として後日配布する。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書アトキンス物理化学 第10 版(下)Peter Atkins, Julio De Paula著、千原秀昭、中村亘男 訳東京化学同人
参考書絶対反応速度論(上)(下)アイリング 著、平井西夫他 訳吉岡書店
参考書基礎物理化学演習〈2〉 ( 新・演習物質科学ライブラリ)山内淳 著サイエンス社
参考書化学反応速度論Ⅰレイドラー著、高石哲男 訳産業図書
参考書練習問題
反応機構学Ⅰ/物理化学演習 問題集
教科書
署名
アトキンス物理化学 第10 版(下)
著者・編者
Peter Atkins, Julio De Paula著、千原秀昭、中村亘男 訳
発行所
東京化学同人
参考書
署名
絶対反応速度論(上)(下)
著者・編者
アイリング 著、平井西夫他 訳
発行所
吉岡書店
参考書
署名
基礎物理化学演習〈2〉 ( 新・演習物質科学ライブラリ)
著者・編者
山内淳 著
発行所
サイエンス社
参考書
署名
化学反応速度論Ⅰ
著者・編者
レイドラー著、高石哲男 訳
発行所
産業図書
参考書
署名
練習問題
反応機構学Ⅰ/物理化学演習 問題集
著者・編者
発行所