Web Syllabus(講義概要)
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反応機構学Ⅱ
英文名Kinetics and Molecular Mechanisms of Chemical Reactions Ⅱ
科目概要化学科 3年 3群科目 必修 2単位 後期 15 コマ 講義 週1コマ
科目責任者石川 春樹
担当者石川 春樹
備考科目ナンバリング:SC301-CP31

教員免許取得のための必修科目

科目教科に関する専門的事項(中・高 理科)
施行規則に定める科目区分
  • 化学

授業の目的

化学反応がなぜ起こるのか,どのように進行するのか,反応条件はどのように反応速度に影響するのか,といった化学反応の理解は,化学の中心的課題の1つである。反応機構学Ⅰでは,主に反応速度の記述,取り扱いを中心に学んだ。本講義ではその発展として,種々の反応に対する反応機構や速度を適切に取り扱えるようになるために,より複雑な反応に対する素反応に基づいた反応機構とその反応速度の取り扱いや,光化学反応や電子移動反応などの代表的な反応の機構を学ぶ。

DPとの関連

SG1SG2SG3SC1

教育内容

反応速度論に基づき,種々の複合反応について典型的な例を取り上げ,その機構や特徴を解説する。後半では,光化学反応や電子移動反応など代表的な反応の速度論的取り扱いを学ぶ。

教育方法

板書またはスライドを利用した講義を行い,適宜演習を取り入れる。

授業内容

項目内容担当者
1基礎的事項の復習反応機構学Ⅰで学んだ基礎的事項や1次反応,2次反応の取り扱いを復習する。石川 春樹
2複合反応(1)素反応過程を基にして,様々な複合反応の速度がどのように表されるか,例を挙げて学ぶ。最初の例として,平衡反応,競争反応の取り扱いを理解する。石川 春樹
3複合反応(2)複合反応の代表的な例として逐次反応の取り扱いを学び,律速段階について理解する。石川 春樹
4複合反応(3)複合反応の取り扱いで重要となる定常状態近似とその応用法を学ぶ。石川 春樹
5複合反応(4)前駆平衡の考え方を導入し,単分子反応とリンデマン-ヒンシェルウッド機構とその特徴を学ぶ。石川 春樹
6前半のまとめ前半のまとめと復習として第1回から第5回までの内容について中間試験を行い,解説する。石川 春樹
7連鎖反応(1)連鎖反応と爆発反応を例にして,複合反応における各段階の役割を理解する。石川 春樹
8連鎖反応(2)連鎖反応の例として重合反応について速度論的特徴を学ぶ。石川 春樹
9酵素反応酵素反応の代表的なモデルであるミカエリス-メンテン機構を学ぶ。石川 春樹
10光化学(1)種々の光物理的,化学的過程を紹介するとともに量子収率による考察を行う。石川 春樹
11光化学(2)代表的な光化学反応の1つである共鳴エネルギー移動過程を紹介する。石川 春樹
12衝突理論化学反応素過程の基礎となる衝突論の取り扱いを学ぶ。石川 春樹
13拡散律速反応溶液中で見られる拡散律速反応を紹介し,その機構を学ぶ。石川 春樹
14反応動力学研究の実際講義で取り扱った内容の発展として最近の化学反応の研究例を紹介する。石川 春樹
15まとめ全体のまとめと復習石川 春樹
No. 1
項目
基礎的事項の復習
内容
反応機構学Ⅰで学んだ基礎的事項や1次反応,2次反応の取り扱いを復習する。
担当者
石川 春樹
No. 2
項目
複合反応(1)
内容
素反応過程を基にして,様々な複合反応の速度がどのように表されるか,例を挙げて学ぶ。最初の例として,平衡反応,競争反応の取り扱いを理解する。
担当者
石川 春樹
No. 3
項目
複合反応(2)
内容
複合反応の代表的な例として逐次反応の取り扱いを学び,律速段階について理解する。
担当者
石川 春樹
No. 4
項目
複合反応(3)
内容
複合反応の取り扱いで重要となる定常状態近似とその応用法を学ぶ。
担当者
石川 春樹
No. 5
項目
複合反応(4)
内容
前駆平衡の考え方を導入し,単分子反応とリンデマン-ヒンシェルウッド機構とその特徴を学ぶ。
担当者
石川 春樹
No. 6
項目
前半のまとめ
内容
前半のまとめと復習として第1回から第5回までの内容について中間試験を行い,解説する。
担当者
石川 春樹
No. 7
項目
連鎖反応(1)
内容
連鎖反応と爆発反応を例にして,複合反応における各段階の役割を理解する。
担当者
石川 春樹
No. 8
項目
連鎖反応(2)
内容
連鎖反応の例として重合反応について速度論的特徴を学ぶ。
担当者
石川 春樹
No. 9
項目
酵素反応
内容
酵素反応の代表的なモデルであるミカエリス-メンテン機構を学ぶ。
担当者
石川 春樹
No. 10
項目
光化学(1)
内容
種々の光物理的,化学的過程を紹介するとともに量子収率による考察を行う。
担当者
石川 春樹
No. 11
項目
光化学(2)
内容
代表的な光化学反応の1つである共鳴エネルギー移動過程を紹介する。
担当者
石川 春樹
No. 12
項目
衝突理論
内容
化学反応素過程の基礎となる衝突論の取り扱いを学ぶ。
担当者
石川 春樹
No. 13
項目
拡散律速反応
内容
溶液中で見られる拡散律速反応を紹介し,その機構を学ぶ。
担当者
石川 春樹
No. 14
項目
反応動力学研究の実際
内容
講義で取り扱った内容の発展として最近の化学反応の研究例を紹介する。
担当者
石川 春樹
No. 15
項目
まとめ
内容
全体のまとめと復習
担当者
石川 春樹

到達目標

複雑な反応機構を速度論的観点から総合的に解釈できるようになる。例えば,複合反応の速度を素反応過程の速度式から導くことができるようになる。光化学反応や電子移動反応などの代表的な反応の機構を理解し,速度論的特徴を反応速度式や熱力学的データに基づいて説明することができるようになる。

評価基準

出席状況やレポート課題に基づく積極的な受講態度(10%),中間試験(30%),期末試験(60%)で評価する。

準備学習(予習・復習)

【授業時間外に必要な学習時間:毎回の予習1時間,復習3 時間,合計60時間】
反応機構学Iの復習をしてから,講義に臨むこと。教科書,講義プリントにより次回の内容の予習をするとともに,演習問題,レポート等で復習をする。

実務経験のある教員情報

該当教員なし

関連科目

反応機構学Ⅰ,物理化学Ⅰ,Ⅱ,量子化学Ⅰ,有機光化学

その他

レポート課題については,解答例の掲示と採点したものを返却することで,フィードバックを行う。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書アトキンス 物理化学 第10 版 下Atkins, de Paula 東京化学同人
参考書はじめての化学反応論土屋荘次岩波書店
参考書基礎物理化学演習〈2〉山内淳サイエンス社
参考書化学反応速度論Ⅰレイドラー産業図書
教科書
署名
アトキンス 物理化学 第10 版 下
著者・編者
Atkins, de Paula
発行所
東京化学同人
参考書
署名
はじめての化学反応論
著者・編者
土屋荘次
発行所
岩波書店
参考書
署名
基礎物理化学演習〈2〉
著者・編者
山内淳
発行所
サイエンス社
参考書
署名
化学反応速度論Ⅰ
著者・編者
レイドラー
発行所
産業図書