Web Syllabus(講義概要)
トップへ戻る 前のページへ戻る
高分子化学
英文名Polymer Chemistry
科目概要化学科 3年 3群科目 A選択 2単位 前期 15 コマ 講義 週1コマ
生物科学科 3年 3群科目 B選択 2単位 前期 15 コマ 講義 週1コマ
科目責任者宮西 将史
担当者宮西 将史※
備考科目ナンバリング:SC301-CO34
科目ナンバリング:SB301-Ch33

授業の目的

身近に存在する高分子材料、天然に存在する高分子機能を分子レベルの観点から学ぶ。小さな分子が連結して、新たな機能が発現する高分子化学の面白さを理解する。

DPとの関連

SG3SC3

教育内容

前半は、汎用高分子の重合方法や基礎物性に関する講義を行う。後半は、耐熱性、力学特性、導電性、生体適合性などの特徴ある機能性高分子についてそれぞれ丁寧に説明する。

教育方法

講義毎に講義資料を配付し、パワーポイントを用いて解説する。授業の内容理解を深めるため、演習問題や小テストをおこなう。

授業内容

項目内容担当者
1高分子化学の概説「高分子とは何か」を概説し、高分子が広く認知された歴史的経緯である巨大分子説を説明する。宮西 将史
2高分子の分子量測定高分子の基本的な物性である平均分子量及びその測定方法について説明する。演習問題により平均分子量の計算方法を身につける。宮西 将史
3高分子の構造高分子鎖の配列に由来する一次構造、高分子の回転や集積による高次構造について説明する。宮西 将史
4高分子の合成1(ラジカル重合)工業的に重要な、ラジカルを活性種とするビニルモノマーの重合法と、合成によって得られる汎用高分子の特徴や用途について説明する。宮西 将史
5高分子の合成2(イオン重合)カチオン、アニオンを活性種とするイオン重合、各重合に適したビニルモノマーの分類、複数モノマーによる共重合について解説する。宮西 将史
6高分子の合成3(配位・開環重合)遷移金属錯体を触媒とする配位重合の反応機構、環状モノマーによる開環重合の特徴を説明する。宮西 将史
7高分子の合成4(重縮合)ナイロン、ポリエステルを合成する重縮合の特徴(モノマー、反応論、材料機能)を説明する。宮西 将史
8重合反応の精密制御分子量の精密制御が可能なリビング重合の条件、重合機構、高分子末端修飾、ブロックコポリマーの合成など実用的な応用例を説明する。宮西 将史
9高分子の反応高分子を反応場とする化学反応(架橋構造の形成、分解反応)を紹介する。プラスチック廃棄汚染の問題や生分解性プラスチックについて概論する。宮西 将史
10高分子の熱物性高分子の熱的性質(ガラス転移・融点)について、高次構造や結晶性との関連を踏まえながら解説する。宮西 将史
11高分子の力学的性質ゴム弾性、高分子ゲルなどの高分子の力学的性質(応力・粘弾性)について解説する。宮西 将史
12無機高分子熱安定性に富む無機分子と加工性に優れた有機分子の両方の性質を合わせ持つ「無機高分子」の特徴を解説する。宮西 将史
13生体高分子(ペプチド、タンパク質、核酸)タンパク質を構成する、ペプチドの合成法や配列解析の手法を解説する。また、たんぱく質や核酸分子の構造集積化により発現する物質機能について説明する。宮西 将史
14導電性高分子と有機エレクトロニクスへの応用導電性高分子の分子構造や導電メカニズムを概説し、有機太陽電池・有機EL, 有機トランジスタ等の応用例を説明する。宮西 将史
15まとめこれまでの講義全体の確認と復習宮西 将史
No. 1
項目
高分子化学の概説
内容
「高分子とは何か」を概説し、高分子が広く認知された歴史的経緯である巨大分子説を説明する。
担当者
宮西 将史
No. 2
項目
高分子の分子量測定
内容
高分子の基本的な物性である平均分子量及びその測定方法について説明する。演習問題により平均分子量の計算方法を身につける。
担当者
宮西 将史
No. 3
項目
高分子の構造
内容
高分子鎖の配列に由来する一次構造、高分子の回転や集積による高次構造について説明する。
担当者
宮西 将史
No. 4
項目
高分子の合成1(ラジカル重合)
内容
工業的に重要な、ラジカルを活性種とするビニルモノマーの重合法と、合成によって得られる汎用高分子の特徴や用途について説明する。
担当者
宮西 将史
No. 5
項目
高分子の合成2(イオン重合)
内容
カチオン、アニオンを活性種とするイオン重合、各重合に適したビニルモノマーの分類、複数モノマーによる共重合について解説する。
担当者
宮西 将史
No. 6
項目
高分子の合成3(配位・開環重合)
内容
遷移金属錯体を触媒とする配位重合の反応機構、環状モノマーによる開環重合の特徴を説明する。
担当者
宮西 将史
No. 7
項目
高分子の合成4(重縮合)
内容
ナイロン、ポリエステルを合成する重縮合の特徴(モノマー、反応論、材料機能)を説明する。
担当者
宮西 将史
No. 8
項目
重合反応の精密制御
内容
分子量の精密制御が可能なリビング重合の条件、重合機構、高分子末端修飾、ブロックコポリマーの合成など実用的な応用例を説明する。
担当者
宮西 将史
No. 9
項目
高分子の反応
内容
高分子を反応場とする化学反応(架橋構造の形成、分解反応)を紹介する。プラスチック廃棄汚染の問題や生分解性プラスチックについて概論する。
担当者
宮西 将史
No. 10
項目
高分子の熱物性
内容
高分子の熱的性質(ガラス転移・融点)について、高次構造や結晶性との関連を踏まえながら解説する。
担当者
宮西 将史
No. 11
項目
高分子の力学的性質
内容
ゴム弾性、高分子ゲルなどの高分子の力学的性質(応力・粘弾性)について解説する。
担当者
宮西 将史
No. 12
項目
無機高分子
内容
熱安定性に富む無機分子と加工性に優れた有機分子の両方の性質を合わせ持つ「無機高分子」の特徴を解説する。
担当者
宮西 将史
No. 13
項目
生体高分子(ペプチド、タンパク質、核酸)
内容
タンパク質を構成する、ペプチドの合成法や配列解析の手法を解説する。また、たんぱく質や核酸分子の構造集積化により発現する物質機能について説明する。
担当者
宮西 将史
No. 14
項目
導電性高分子と有機エレクトロニクスへの応用
内容
導電性高分子の分子構造や導電メカニズムを概説し、有機太陽電池・有機EL, 有機トランジスタ等の応用例を説明する。
担当者
宮西 将史
No. 15
項目
まとめ
内容
これまでの講義全体の確認と復習
担当者
宮西 将史

到達目標

高分子の合成法や物性に関する基礎知識を習得することで、生活に応用されている高分子材料のことを分子レベルで理解できるようになる。高分子材料が生活にどのように応用されているかを学び、様々な学術的観点から思考できるようになる。

評価基準

成績評価は定期試験、2 回の小テストで総合的に判断する。欠席は減点対象とする。詳細は講義内で説明する。

準備学習(予習・復習)

【授業時間外に必要な学習時間:予習および復習に必要な学習の時間は全体で60時間に達する】
予習:講義毎に紹介するキーワードを調べること。復習:講義に関する小テスト(2回)をおこなうので、講義内容を整理しておくこと。

実務経験のある教員情報

担当教員は、国内外の研究機関で高分子の合成・応用に関する豊富な研究経験を有しており,実務研究者としての立場から高分子化学の魅力を解説する。

関連科目

有機化学・無機化学・生化学・物理化学の分野を横断して、講義内容を解説する。

その他

メッセージ: 分からない点は、遠慮なく質問してください。メール、クラスルーム等のメッセージでも対応します。理解度に合わせて、講義を進める。
課題に対するフィードバック: 小テストを行い、次回の講義で解説、総評をおこなう。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書毎回、講義資料を配付する
参考書基礎高分子科学高分子学会 編集東京化学同人
参考書基礎からわかる高分子材料井上 和人森北出版
参考書高分子化学入門―高分子の面白さはどこからくるか蒲池 幹治エヌティーエス
教科書
署名
毎回、講義資料を配付する
著者・編者
発行所
参考書
署名
基礎高分子科学
著者・編者
高分子学会 編集
発行所
東京化学同人
参考書
署名
基礎からわかる高分子材料
著者・編者
井上 和人
発行所
森北出版
参考書
署名
高分子化学入門―高分子の面白さはどこからくるか
著者・編者
蒲池 幹治
発行所
エヌティーエス