英文名 | Electromagnetics Ⅱ | |
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科目概要 | 物理学科 2年 3群科目 必修 2単位 後期 15 コマ 講義 週1コマ | |
科目責任者 | 川﨑 健夫 | |
担当者 | 川﨑 健夫 | |
備考 | 科目ナンバリング:SP301-PA21 |
多彩な自然現象、多様な物質の挙動を解明するためには、自然科学の基本原理のなかでも特に電磁気学を深く理解していることが重要である。電磁気学Ⅰは静的な電磁気学に関する講義であったが、それをひきついで、時間変化を考慮した電磁気学を学習する。特にマクスウエル方程式と電磁波が重要である。
静的な電磁気学をあつかう前期の電磁気学Iの発展として、時間変化を考慮に入れた動的な状態における電磁気学について学習する。まず、電磁気学I の内容確認を兼ねて、導体・誘電体・磁性体について説明する。その後はおおむね教科書に書かれている順序のとおり、電磁誘導の法則からはじめて、交流回路、マックスウェル方程式について学習した後、電磁波とその放射について基本的な理解をめざす。
黒板による板書を多用する論述形式の講義をおこなう。教科書の内容を重視して講義をすすめる。電磁気学演習II と連携する。
回 | 項目 | 内容 | 担当者 |
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1 | 導体・誘電体・静電場 | 導体の性質、導体や誘電体中および周囲の電場 コンデンサの原理 | 川﨑 健夫 |
2 | 磁性体・静磁場 | 磁性体中の磁場・境界問題 | 川﨑 健夫 |
3 | 電磁誘導 | ファラデーの誘導法則、ローレンツ力、ベータトロン | 川﨑 健夫 |
4 | 運動する導線内に発生する起電力 | コイルと磁束密度 | 川﨑 健夫 |
5 | 準定常電流の基本法則 電流回路の方程式 | マクスウェル方程式とオームの法則 閉回路に流れる電流、過渡現象 | 川﨑 健夫 |
6 | 簡単な交流回路1 | 交流回路、減衰振動・強制振動 | 川﨑 健夫 |
7 | 簡単な電流回路2 | 交流回路のインピーダンス 容量結合・磁気結合回路 | 川﨑 健夫 |
8 | 自己誘導と相互誘導 | コイルとソレノイド、自己・相互インダクタンス | 川﨑 健夫 |
9 | マクスウェル方程式 | 現象論的なマクスウェル方程式の性質 | 川﨑 健夫 |
10 | 電磁波のエネルギーと運動量 電磁ポテンシャル | 保存則とポインティングベクトル ベクトルポテンシャルとスカラーポテンシャル、ゲージ変換 | 川﨑 健夫 |
11 | 自由空間における電磁波 | 1次元と3次元の波動方程式 電磁波の概念・偏光、ポインティングベクトル | 川﨑 健夫 |
12 | 電磁波の放射 | 双極子モーメントによる放射 遅延ポテンシャルと先進ポテンシャル | 川﨑 健夫 |
13 | 点電荷による電磁波の放射 | ラーモアの公式 いろいろな放射(制動放射・チェレンコフ放射) | 川﨑 健夫 |
14 | まとめ1 | 全体の確認と復習1 | 川﨑 健夫 |
15 | まとめ2 | 全体の確認と復習2 | 川﨑 健夫 |
教科書に記載されている電磁気学の概念を理解し、基本的な問題をベクトルの微分方程式を用いて自由自在に解くことができることが到達目標である。
課題提出および中間テスト(40%)、期末テスト(60%)で評価する。
【授業時間外に必要な学習時間:授業時間外に必要な学習の時間:1コマあたり4 時間】
予習:授業範囲に前もって目を通し、理解が困難な概念や計算を把握しておく。
復習:講義内容の深い理解に努める。計算式については、講義中にすべての計算過程を明示することはしないため、手を動かして確認することが必要である。講義中の課題では繰り返し同じ数学的手法を用いるので、講義ノートを見なくても独力で解けるように復習する。電磁気学演習II では、進度を合わせて演習課題を取り扱うので、本講義のみに閉じず、様々な例題に取り組むことにより理解を深めることが強く望まれる。
該当教員なし
「電磁気学演習II」は関連科目である。「電磁気学I・電磁気学演習I」の内容を十分に理解していることが望ましい。
ベクトルの微分方程式を多用するため「微分積分I・II」や「力学II」の内容を事前に復習しておくこと。
中間テストについては、実施後、講義中に全体に対して重要な点の解説と講評を行う。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 電磁気学( 物理学テキストシリーズ4) | 砂川重信 | 岩波書店 |
参考書 | 電磁気学( 基礎物理学シリーズ) | 横山順一 | 講談社 |