英文名 | Thermal and Statistical Mechanics Ⅰ | |
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科目概要 | 物理学科 2年 3群科目 必修 2単位 後期 15 コマ 講義 週1コマ 化学科 2年 3群科目 B選択 2単位 後期 15 コマ 講義 週1コマ | |
科目責任者 | 三森 康義 | |
担当者 | 三森 康義※ | |
備考 | 科目ナンバリング:SP301-PF22 科目ナンバリング:SC301-Ph21 |
熱力学と統計力学の基礎の理解
熱力学の視点、観測量を述べ、さまざまな操作での仕事についての経験事実を公理として「熱力学」を構築する。
エネルギー保存の法則、エントロピーと断熱操作の可逆性、自由エネルギーと熱力学的関数、気体分子の熱力学・統計力学的な扱いと物理的意味を理解する
講義はスライドと板書を利用してすすめる。宿題としてレポート問題を課す。
回 | 項目 | 内容 | 担当者 |
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1 | 熱力学の復習(1) | 内部エネルギーと比熱、ジュールの実験、ポアソンの式 | 三森 康義 |
2 | 熱力学の復習(2) | カルノーサイクル、エントロピー、クラウジウスの不等式とエントロピー増大則 | 三森 康義 |
3 | 気体分子運動論 | 気体分子運動論での比熱、エネルギー等分配則 | 三森 康義 |
4 | 量子気体 | 3次元箱中の粒子の波動関数とエネルギーとその状態密度 | 三森 康義 |
5 | 統計力学の基本原理(1) | アプリオリ確率の原理、ラグランジュの未定乗数法、スターリングの公式 | 三森 康義 |
6 | 統計力学の基本原理(2) | ボルツマン因子、分配関数と状態和、カノニカル集合 | 三森 康義 |
7 | 統計力学の基本原理(3) | 圧力とボイルシャルルの法則の導出 | 三森 康義 |
8 | 統計力学でのエントロピー | 状態数とボルツマンの関係式、平衡状態 | 三森 康義 |
9 | ルジャンドル変換とヘルムホルツの自由エネルギー | ルジャンドル変換、ヘルムホルツの自由エネルギー、ゴムの伸縮 | 三森 康義 |
10 | 温度とエントロピー、エネルギーの関係 | イジングモデル | 三森 康義 |
11 | 化学ポテンシャルとギブス和 | 化学ポテンシャル、ギブス和、大分配関数 | 三森 康義 |
12 | 量子統計力学の初等的取扱い(1) | フェルミ-ディラック統計 | 三森 康義 |
13 | 量子統計力学の初等的取扱い(2) | ボーズ‐アインシュタイン統計 | 三森 康義 |
14 | 量子統計力学の初等的取扱い(3) | フェルミ縮退とフェルミエネルギー、ボーズ-アインシュタイン凝縮 | 三森 康義 |
15 | まとめ | 全体の確認と復習 | 三森 康義 |
(1)状態数とボルツマンの関係式、エントロピーが理解できること。
(2)分配関数を用いてエネルギー、圧力が導けること。
(3)フェルミ-ディラック統計とボーズ-アインシュタイン統計、古典統計力学の違いが理解できること。
期末試験(80%)、レポート(20%)を総合的に評価する。なお、欠席は減点する。
【授業時間外に必要な学習時間:1コマあたり4時間】
予習:授業範囲に前もって目を通し、理解が困難な概念や計算を把握しておく。
復習:講義内容をもとにレポート課題を行い、講義内容とその関連事項の深い理解に努める。
三森康義:企業の研究・開発における熱統計力学の必要性・重要性について解説する。
物質科学I、統計学(物理系)、熱統計力学II、熱統計力学演習
(なし)
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 熱・統計力学 | 戸田盛和 | 岩波書店 |
参考書 | キッテル熱物理学 | チャールズ・キッテル(山下次郎、福地充 訳) | 丸善 |
参考書 | 統計力学 | 北原和夫・杉山忠男 | 講談社 |