英文名 | Quantum MechanicsⅠ | |
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科目概要 | 物理学科 3年 3群科目 必修 2単位 前期 15 コマ 講義 週1コマ 化学科 3年 3群科目 B選択 2単位 前期 15 コマ 講義 週1コマ | |
科目責任者 | 川﨑 健夫 | |
担当者 | 川﨑 健夫 | |
備考 | 科目ナンバリング:SP301-PF31 科目ナンバリング:SC301-Ph31 |
科目 | 教科に関する専門的事項(中・高 理科) |
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施行規則に定める科目区分 |
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現代社会の基礎を支える物理学において、量子力学は最重要ともいえる学問である。その理解は、日々発展する自然科学の研究だけでなく産業界での応用・開発にも欠かせないものである。本講義では、量子力学の考えとその記述・計算法を習得する。数学的な取り扱いに習熟し、古典物理学とは異なった記述と考え方を理解することを目的とする。
ミクロな現象を記述する量子力学の概要、数学的手法、簡単な問題の解法を主題とする。主に一次元量子系での問題により原理の理解に取り組むが、3 次元でのシュレディンガー方程式の概要についても解説する。演算子・固有値・期待値といった量子力学の概念とその計算について解説する。
板書を多用した講義をおこなう。必要に応じて講義内容に沿った課題を課し、中間テストおよび期末テストにより理解度を確認する。
回 | 項目 | 内容 | 担当者 |
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1 | 量子力学の基礎I | 前期量子論の復習 プランク定数、粒子性と波動性、de Broglie 仮説、Bohr 模型 | 川﨑 健夫 |
2 | 量子力学の基礎II | 波動関数・確率的解釈・規格化 1次元・3次元箱型ポテンシャル | 川﨑 健夫 |
3 | 1 次元量子系の境界値問題I | シュレディンガー方程式、定常・束縛状態 井戸型ポテンシャル | 川﨑 健夫 |
4 | 1 次元量子系の境界値問題II | 散乱問題(階段型・壁型)、波の反射と透過 ポテンシャル障壁とトンネル効果 | 川﨑 健夫 |
5 | 量子力学の体系I | 物理量と演算子、期待値 確率の流れ | 川﨑 健夫 |
6 | 量子力学の体系II | 演算子のエルミート性、ブラケット表記 | 川﨑 健夫 |
7 | 量子力学の体系III | 交換関係、直交性、縮退 | 川﨑 健夫 |
8 | 中心力場の波動方程式 | 1次元調和振動子 | 川﨑 健夫 |
9 | 中心力場の具体例I | 3次元水素模型、量子数 | 川﨑 健夫 |
10 | 中心力場の具体例II | 極座標、変数分離、球面調和関数・動径波動関数 | 川﨑 健夫 |
11 | 原子の量子力学的描像I | 量子力学における角運動量・演算子 | 川﨑 健夫 |
12 | 原子の量子力学的描像II | 多電子原子、スピン | 川﨑 健夫 |
13 | 原子の量子力学的描像III | スピンと排他律、パリティ対称性 フェルミ粒子とボース粒子 | 川﨑 健夫 |
14 | まとめ1 | 全体の確認と復習1 | 川﨑 健夫 |
15 | まとめ2 | 全体の確認と復習2 | 川﨑 健夫 |
量子力学の基本概念を習得し、典型的な量子力学の数学的な取り扱いに習熟する。簡単な系でのシュレディンガー方程式を解きエネルギー固有値や波動関数を求めることができるようになる。
課題提出および中間テスト(40%)、期末テスト(60%)の割合で評価する。
【授業時間外に必要な学習時間:授業時間外に必要な学習の時間:1コマあたり4 時間程度】
予習:授業範囲に前もって目を通し、理解が困難な概念や計算を把握しておく。
復習:講義内容の深い理解に努める。計算式については、講義中にすべての計算過程を明示することはしないため、自身で手を動かして確認することが必要である。講義中の課題では繰り返し同じ数学的手法を用いるので、講義ノートを見なくても独力で解けるように復習する。
該当教員なし
「量子力学演習I」は関連科目である。本講義に続いて、量子力学の発展的内容については、「量子力学II・量子力学演習II」で取り扱う。
課題や中間テストの内容については講義中に簡単な解説と採点結果に対する講評を行う。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 量子力学I | 猪木慶治・川合光 | 講談社 |
参考書 | 量子力学Ⅱ | 猪木慶治・川合光 | 講談社 |