英文名 | Experiments in Physics B (Laboratory) | |
---|---|---|
科目概要 | 物理学科 3年 3群科目 必修 3単位 前期 72 コマ 実習 | |
科目責任者 | 川﨑 健夫 | |
担当者 | 川﨑 健夫、 松井 崇※、 稲田 妙子、 三森 康義※、 今野 智之 | |
備考 | 科目ナンバリング:SP303-PA31 |
科目 | 教科に関する専門的事項(中・高 理科) |
---|---|
施行規則に定める科目区分 |
|
多彩な自然現象や物質の性質を解明するためには、物理的な原理の理解だけでなく、それを基盤とした測定・解析・情報処理技術を身に付けていることが必要である。また、その際には物理学のみでなく周辺分野の基礎的な知識も必要となる。本実験では課題に主体的に取り組むことにより、知識・技術だけでなく科学的な考察や実験結果のまとめ方など、科学的な方法論を身に付けることを目的とする。実験全体を通じて実践的な課題解決能力を修得することも目的とする。
NMR(原子核磁気共鳴)・ホール効果・閃光光分解法・放射線測定技術に関する実験課題に取り組む。測定装置の組立てや調整、試料の作成、物理現象の観測および測定、実験データの解析と物理量の計算を行う。行った実験全体の評価・考察を行うことにより、課題および背景となる物理現象に対する理解を深める。
測定および装置の原理についての講義の後、装置を用いて測定を行い、その結果を解析してレポートにまとめる。レポートの書き方についても指導する。
回 | 項目 | 内容 | 担当者 |
---|---|---|---|
第1回~6回 | 測定装置と原理 | 研究の進め方、各実験テーマで用いる装置および測定原理についての説明を行う。 準備された4課題について、文献等を参照することにより学習する。 | 稲田 妙子 松井 崇 三森 康義 川﨑 健夫 |
第7回~24回 | Pulse NMR | パルス核磁気共鳴(pulse NMR)装置を用いて水素原子の原子核であるプロトン(1H)の歳差運動、スピンエコーの観測を行う。実験結果を解析し、レポートにまとめる。 | 松井 崇 |
第25回~33回 | 閃光光分解法 | 光反応の閃光光分解法による測定を行う。実験結果を解析し、レポートにまとめる。 | 稲田 妙子 |
第34回~50回 | ホール効果 | ホール効果による半導体中のキャリア密度の測定と、その温度依存性の測定を行う。半導体の電気伝導特性に関して理解し、レポートにまとめる。 | 三森 康義 |
第51回~68回 | 放射線の測定 | ガイガーカウンター・NaI シンチレーションカウンターを用いて、複数の放射線の性質と測定方法に関して理解する。実験結果を解析し、レポートにまとめる。 | 川﨑 健夫 今野 智之 |
第69回~72回 | まとめ | 実験内容の理解の確認 | 稲田 妙子 松井 崇 三森 康義 川﨑 健夫 今野 智之 |
各実験テーマ課題について、その物理的背景と原理を理解する。
具体的には、医学に幅広く応用されている核磁気共鳴画像法(MRI)を含む磁気共鳴法について理解する。
ホール効果による半導体中のキャリア密度とその温度依存性を測定し、半導体の電気伝導特性に関して理解を深める。
高速の光反応過程における逐次構造変化を実験を通して理解する、また過渡現象の解析法を身に付ける。
複数の放射線測定装置の動作原理および放射線の反応の素過程を理解する。
評価は、実験への取り組み、実験ノートの内容、実験レポートの総合評価とする。
【授業時間外に必要な学習時間:実験・課題の結果を整理し、レポート等にまとめるために必要な時間は、授業時間内のみでは不足する場合がある。与えられた授業時間内のみでなく、課題の内容を十分理解するために必要な時間、自主的に取り組むことが望ましい。】
あらかじめ実験テキストを予め良く読んで、概要・手順・注意点等を確認したうえで実習に臨むこと。また、得られたすべての実験結果に対して多面的な考察を行うこと。
レポートの作成については、実験データのまとめ・結果の解析と評価だけでなく、文献などを参照することにより、結果に対する評価・考察を深めることが重要である。
三森康義 松井崇 (企業にて研究・開発に従事)
企業での研究経験をもとに、実験の技術面および理論面について、企業における利用方法、応用方法について解説する。
物理学実験演習(3 年次後期必修)は関連科目である。その他、多くの講義内容に関連する。
レポート提出時には、実験内容を深く理解していることを確認するために、レポート内容の精査を行うとともに、簡単な口頭試問を行う。レポートの修正と再提出を求める場合がある。
提出されたレポートは、必要に応じて、コメントを付した後に返却する。
実験ではテキストに説明されている通りの結果が得られるとは限らない。異なった結果が得られた場合、単にやり直すだけでは、結果が変わった場合に原因が判らないままである。「失敗した」と思われる結果であっても、無かったことにはできない。本実験では、十分な準備のうえで実験に臨み、実験自体についても十分な時間をとる。一度結果が得られれば終わりではなく、何故その結果になったのかという点が最も重要である。失敗してやり直す場合だけでなく、一度で成功した場合でも、なぜ成功したのかについて、深く考察することが求められる。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
---|---|---|---|
教科書 | テキストを配布する | ||
参考書 | 適宜指示する |