英文名 | Solid State Physics | |
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科目概要 | 物理学科 3年 3群科目 A選択 2単位 前期 15 コマ 講義 週1コマ | |
科目責任者 | 西沢 望 | |
担当者 | 西沢 望 | |
備考 | 科目ナンバリング:SP301-PA38 |
固体中での様々な物理現象、特に電子状態、電子伝導、磁性に関して学ぶ。
これまでに学んだ力学、熱力学、電磁気学等の基礎がどのように実際の固体中の物理現象と結び付くのか、また、それらを基に実際の金属や半導体の物性がどのようにりかいされるのかを学ぶ。
スライドを用いて講義を行う。講義時間後に演習問題を配布する。
回 | 項目 | 内容 | 担当者 |
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1 | はじめに 結晶に関する復習 | 本講義の目的と全体像の概説、固体とはなにか、固体物理の役割、 量子力学の基礎部分について | 西沢 望 |
2 | 原子中の電子 | 水素原子の電子状態、周期表、p軌道、d軌道、f軌道 | 西沢 望 |
3 | 原子が集まってつくる固体 | 固体における結合(ファンデルワールス結合、イオン結合、共有結合、水素結合) | 西沢 望 |
4 | 結晶としての固体 | 並進対称性と結晶構造、面方位、逆格子、ブリュアンゾーン | 西沢 望 |
5 | 格子振動 | 1次元鎖の振動および分散関係、2種原子鎖および音響モードと光学モード、振動の量子化と比熱計算 | 西沢 望 |
6 | 自由電子モデル | 自由電子とフェルミ面、状態密度、電子の比熱 | 西沢 望 |
7 | 結晶中の電子状態(1) | ブロッホの定理、エネルギーバンド(自由電子からのアプローチ) | 西沢 望 |
8 | 結晶中の電子状態(2) | 束縛電子からのアプローチ(Tight-binding model) | 西沢 望 |
9 | 金属と絶縁体、金属の伝導電子 | エネルギーバンドからみた金属と絶縁体の区別、電場による電気伝導、キャリアの受ける散乱 | 西沢 望 |
10 | 伝導電子の輸送現象 | Hall効果(磁場中の電気伝導)、熱伝導 | 西沢 望 |
11 | 半導体、絶縁体とキャリア制御(1) | 半導体のバンド構造、半導体のキャリア | 西沢 望 |
12 | 半導体、絶縁体とキャリア制御(2) | 半導体のキャリア制御(ドーピング)、pn接合 | 西沢 望 |
13 | 半導体の特性 | 半導体の光吸収、混晶、ヘテロpn接合と2次元電子ガス、半導体ヘテロ接合の作製方法 | 西沢 望 |
14 | 固体の磁性 | スピン角運動量と磁気モーメント、クーロン積分と交換積分、磁性体(常磁性体、強磁性体) | 西沢 望 |
15 | まとめ | 全体の確認と復習 | 西沢 望 |
固体中の電子構造を理解し、エネルギーバンドから金属、半導体、絶縁体の違いについて理解できる。半導体、磁性体の物理について理解を深める。
本試験(60%)、レポート(40%)により総合的に評価する。
【授業時間外に必要な学習時間:予習1時間、復習3時間】
予習:講義資料に沿って進めるので、事前配布した資料と教科書の該当箇所に目を通しておく。またそのために必要な基礎物理を復習しておく。
復習:復習は特に入念に行うこと。講義資料に説明事項や重要な部分のメモを取り、それらと教科書を対比しながら理解を深める。
(なし)
電磁気学I,II、熱統計力学I、量子力学I、物質科学I,II、量子エレクトロニクス
レポートは次回講義で解答を配布し、解説する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 初歩から学ぶ固体物理学 | 矢口裕之 | 講談社 |
参考書 | 固体物理学入門 | リチャード・キッテル | 丸善出版 |
参考書 | 基礎の固体物理学 | 斯波弘行 | 培風館 |