
| 英文名 | Structural Organic Chemistry | |
|---|---|---|
| 科目概要 | 化学科 3年 3群科目 A選択 2単位 前期 15 コマ 講義 週1コマ 火2限 生物科学科 3年 3群科目 B選択 2単位 前期 15 コマ 講義 週1コマ 火2限 |
|
| 科目責任者 | 長谷川 真士 | |
| 担当者 | 長谷川 真士 | |
| 備考 | 科目ナンバリング:SC301-CO33 科目ナンバリング:SB301-Ch31 |
|
多様な有機化合物の立体構造および電子的性質について、基礎概念から体系的に理解することを目的とする。分子の三次元構造、電子の非局在化、キラリティー、芳香族性といった構造有機化学の中核概念が、化合物の物理的性質や化学反応性にどのように反映されるかを論理的に理解させる。さらに、有機化学 I・II で学習した反応機構や官能基化学を基盤として、有機合成化学の根本にある「分子構造と物性・反応性の相関」を理解することの重要性を強調する。本講義を通じて、分子構造から性質や反応を考察し、合理的に説明・予測する構造有機化学的視点を身につけるとともに、スペクトルデータや立体化学的情報を通じて、材料化学、有機合成化学、創薬化学、生命科学分野への展開を意識した有機分子理解の基礎力を養う
本講義では、有機化合物の結合様式、異性現象、電子の非局在化、酸・塩基の概念、立体化学と反応との関係を基礎として、分子の立体構造および電子的性質を総合的に解説する。
具体的には、1) 構造異性体・立体異性体、2) 分子の形とひずみ、3) キラル化合物、4) 立体化学が反応性に与える影響、5) 共役系・芳香族性と電子構造、6) 分子構造と各種スペクトル(NMR、MS、吸収・発光)との関係、を取り上げ、実例を交えながら分子構造と性質・反応性の関係を関連づけて理解できるようにする。
講義は板書を中心に進め、必要に応じて配布資料や図表を用いて説明する。
各回の内容に応じて、分子模型的な考察、構造式の描画、反応経路の検討などを行い、受動的な理解に留まらないよう配慮する。
また、講義中または講義後に確認問題や簡単な演習を取り入れ、学生が自ら考え、理解を定着させる機会を設ける。
| 回 | 項目 | 内容 | 担当者 |
|---|---|---|---|
| 1 | 有機化合物の構造と異性体 | 有機化合物の構造異性体および立体異性体について概説する。 | 長谷川 真士 |
| 2 | 分子の形とひずみ | 分子の立体構造と結合角・結合長の関係を理解し、分子ひずみの概念を学ぶ。 | 長谷川 真士 |
| 3 | キラル化合物 | 光学活性の起源となるキラリティーについて学ぶ。不斉炭素をもつ分子を中心に、キラリティーが物性や反応に及ぼす影響を理解する。 | 長谷川 真士 |
| 4 | キラル化合物の分離 | 自然界におけるホモキラリティーの概念を紹介し、ラセミ体の分割法やキラル分離の基本原理を学ぶ。実際の分離手法がどのような分子特性に基づいているかを解説する。 | 長谷川 真士 |
| 5 | キラル化合物の合成(2) | 不斉誘導反応を中心に、キラリティーを保持・導入する合成手法について学ぶ。有機合成化学や創薬化学における不斉合成の重要性を理解する。 | 長谷川 真士 |
| 6 | 立体化学と反応1 | 立体障害の概念を導入し、反応速度や反応選択性に及ぼす影響を解説する。分子構造と反応性の関係を立体的観点から考察する。 | 長谷川 真士 |
| 7 | 立体化学と反応2 | 置換反応、付加反応、脱離反応における立体化学を取り上げ、反応機構と生成物の立体化学の関係を整理する。 | 長谷川 真士 |
| 8 | 電子の非局在化 | 共役二重結合系を例に、電子の非局在化と分子安定性の関係を学ぶ。 | 長谷川 真士 |
| 9 | 芳香族化合物1 | ベンゼンを例に、共鳴理論と芳香族性の概念を導入する。芳香族性が分子安定性に与える影響を理解する。 | 長谷川 真士 |
| 10 | 芳香族化合物2 | 芳香族化合物が示す特有の構造的・電子的特徴を整理し、非芳香族化合物との違いを比較する。 | 長谷川 真士 |
| 11 | 芳香族化合物3 | 芳香族化合物の反応性を中心に解説し、芳香族求電子置換反応や特異な芳香族化合物の例を通じて、芳香族性と反応性の関係を理解する。 | 長谷川 真士 |
| 12 | 有機分子の構造と各種スペクトルの関係(1) | NMRスペクトルおよびMSスペクトルを中心に、分子構造との対応関係を解説する。 | 長谷川 真士 |
| 13 | 有機分子の構造と各種スペクトルの関係(2) | 吸収スペクトルおよび発光スペクトルを取り上げ、分子の電子遷移と光物性の基礎を学ぶ。 | 長谷川 真士 |
| 14 | 有機分子の構造と各種スペクトルの関係(3) | 分子の動的挙動について、温度可変スペクトル測定を例に解説する。分子運動や構造変化が観測結果に与える影響を理解する。 | 長谷川 真士 |
| 15 | まとめ | 本講義全体の内容を総括し、分子構造と物性・反応性の関係を整理する。 | 長谷川 真士 |
本講義の修了時に、学生は以下を達成できることを目標とする。
1) 有機分子の物理的性質および反応性が、立体構造や電子構造と密接に関係していることを説明できる。
2) 分子の立体構造や電子状態を基に、物性や反応性を論理的に推測できる。
3) キラリティー、芳香族性、電子の非局在化などの概念を用いて、有機化合物の特徴を整理・説明できる。
4) 各種スペクトル情報から分子構造や動的挙動を考察する基礎的能力を身につける。
定期試験(100%)により評価する。
【授業時間外に必要な学習時間:合計 60 時間】
本講義は(化学科、生物化学科ともに)有機化学 I および II の内容を前提とする。予習: 事前に配布される資料や指定された範囲を読み、有機反応機構や立体化学の用語を確認しておくこと。復習: 講義内容を整理し、配布された演習問題や確認問題に取り組むことで理解を定着させること。
該当教員なし
物質化学概論、有機化学I、有機化学II
(なし)
| 種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
|---|---|---|---|
| 教科書 | (なし) | ||
| 参考書 | 構造有機化学: 基礎から物性へのアプローチまで | 中筋 一弘、久保 孝史、鈴木 孝紀 、豊田 真司 | 東京化学同人 |